先週の金曜日に手術した子(フレンチブルドック・7歳)は、
これまで大きな病気一つしたことのない健康優良児でしたが
3日前から食欲がなく、外陰部からオリモノがでているという主訴で来院されました
検査により子宮蓄膿症と診断され、その日のうちに緊急オペとなりました
今日はわんちゃんに多い病気の一つである子宮蓄膿症についてお話したいと思います
子宮蓄膿症とは、その名の通り子宮に入り込んだ細菌による感染症によって
子宮内に膿が貯留する疾患です
なぜわんちゃんに子宮蓄膿症が多いかというと
わんちゃんの特徴的な生理周期に関係しています
わんちゃんの生理周期
発情前期(10日前後)→発情期(6日前後)
→発情休止期(受精・着床している場合は妊娠期間)(60日前後):黄体期
→無発情期(5〜12ヶ月)
黄体から作られるホルモン(プロゲステロン)が妊娠の維持にはとても重要ですが
赤ちゃんがいない場合には子宮内に細菌が繁殖しやすい環境(子宮内の免疫力の低下)
になってしまいます
わんちゃんは妊娠の有無にかかわらず黄体期が約2ヶ月あるため
子宮蓄膿症を発症しやすいと言われています
子宮蓄膿症を発症するのはほとんどの場合黄体ホルモンの影響がある期間に当たるため
生理が見られてから2ヶ月間の間は特に注意する必要があります
子宮蓄膿症を発症した場合は、発熱、食欲不振、多飲多尿、嘔吐、脱水などの
症状が認められます。また、外陰部からの排膿が認められることもあります
重篤な場合は多臓器不全によりショック死してしまう、実は怖い病気です・・・
わんちゃんだけでなく、ねこちゃんやうさぎさんでもかかってしまいます
子宮蓄膿症を治すためには、外科手術が一番の方法です
金曜日のフレンチブルちゃんは早めの対処のおかげで、昨日無事元気になって退院していきました
この病気は犬種に関係なく、また高齢(7歳以上)で多いとされていますが
若い子でも可能性はあるので未避妊の子は年齢関係なく注意が必要です
未避妊のわんちゃんで、先ほど挙げた症状がみられた場合はすぐにご相談くださいね
獣医師 林 聡 ・ 佐藤 友美
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